イギリス・コベントリー

『Theatre of Wandering』(徘徊演劇『よみちにひはくれない コヴェントリーバージョン』)

日程:2021年9月18日(土) - 19日(日)

会場:コヴェントリーシティセンター周辺

共同演出:菅原直樹、デービッド・スレイター

観客がまちを歩き、虚実の境界をさまよう先に見える、ケアの未来

2015年に初演されたOiBokkeShiの旗揚げ作品、徘徊演劇『よみちにひはくれない』が「コヴェントリーバージョン」となって、イギリスで上演されます。

2018年開催の「世界ゴールド祭」(主催:彩の国さいたま芸術劇場、ほか)で上演された徘徊演劇『よみちにひはくれない 浦和バージョン』を観劇したイギリス人アーティストのデービッド・スレイター(David Slater/エンテレキー・アーツ芸術監督(当時))の提案により、イギリスのデジタル・文化・メディア・スポーツ省が4年に一度開催する「COVENTRY UK CITY OF CULTURE」(コヴェントリー イギリス文化都市)での共同制作が実現しました。

コロナ禍という困難な状況の中、約1年に渡るオンラインでの対話、創作を行い、本番直前の現在、約2週間の現地イギリス・コヴェントリーでの滞在制作を経て発表されます。

今回のコヴェントリー版は、原作の骨格を残しつつも菅原、デービッド(共同演出)と地元コヴェントリー出身のアーティストであるリチャード・ウォールズ(Richard Walls/テキスト・ドラマトゥルク)ら複数のアーティストとの協働により、抜本的にリ・クリエーションすることを前提に進められました。

登場人物や物語の設定を大幅に改定し、介護者、被介護者、医師、高齢者施設居住者・スタッフ、地元警察の警官、学生、町で働く人々など、老いと認知症に関わる様々な立場の人間との対話、ワークショップを元に各シーンを構築、ついには彼ら自身もパフォーマンスに重要な役で登場することになりました。

イギリスにおいて先進的に進む「社会的処方(social prescribing)」。その実践とも言える、創作のプロセスと上演自体に地域社会が関わる今回の手法と認知症に寄り添う菅原の劇世界が重なり、新たに進化を遂げる徘徊演劇は、老いと社会的ケアを巡る「少し先の未来」を描くことになるでしょう。

本公演はライブストリーミング(18日限定/無料)と後日アーカイブ配信を予定していますので、日本の皆様にもぜひともご覧いただきたく、ご案内いたします。

◎ストーリー

10年ぶりにコヴェントリーに帰ってきた若い女が路上で出会ったのは、子どもの頃の顔なじみだった高齢男性。高齢男性はパジャマのまま外へ徘徊に出てしまった妻を探しているという。

高齢男性は女に「コヴェントリー市場を探してくれ」と頼む。

だが、女にとって、市場は最も避けたい場所であった。女は10年前に、市場である“事件”を起こしていたのだ・・・

COVENTRY UK CITY OF CULTURE2021(コヴェントリー イギリス文化都市2021)ホームページ
https://coventry2021.co.uk/what-s-on/theatre-of-wandering/

共同制作

コヴェントリー文化都市、エンテレキー・アーツ

制作協力

OiBokkeShi、コヴェントリー・ベルグレード劇場、ベルグレード・アーツ・ジム・グループ

助成

スピリット2012, コミュニティ財団, 独立行政法人国際交流基金、大和日英基金、 アーツカウンシル・イングランド

チラシ画像